レンズの話をするとしよう。
写真用のレンズには必ず何mmという焦点距離がある。ズームレンズだと何mm〜何mmという表記があるのはご存知だろう。
焦点距離の数値が50mmのものを標準と言い、それよりも小さいと広角、大きいと望遠と呼ぶ。
2006年に撮ったこの写真は、写真関係のイベントで知り合った娘に画角による違いを体験してもらうためにその場にあった『湯のみ』を撮って見せたもので、上が28mm相当、下が108mm相当で同じ器をだいたい同じような大きさに写るように撮ったものである。広角である28mm相当で撮ったものはカメラは器にかなり近づいて撮っていて、108mm相当の望遠で撮ったものはその距離は遠い。
何を示すかというと、この焦点距離の違い、つまりは撮れる画の角度の違いがこれほどまで形の違うものとして撮れてしまうということが言いたい。
『ん?』と思った方はぜひ試してみてほしい。
広角は広い範囲の背景が写るもので、望遠だと狭い範囲の背景しか写らないような図をよく見かけるが、一つの被写体だけを見るとこれほどまで変化するのだ。
商品撮影だとすると正しい形で撮れていなくては意味がないので下の写真のように望遠側で撮る必要があるが、それ以外では撮影者が自由に使えるレンズの効果だ。
このように近くのものから遠くのものまでを写真としてどう表現するかは画角による違いで工夫することができるのである。つまり焦点距離の違いによる表現方法というものだ。
では、これポートレートだとどうなるか判るかな?
実際これほどデフォルメすることは無いけれど、すごく効果的な使い方ができるのだ。